いまから思えば予兆はあった。昨年8月、戸建て住宅に越して間もない日の夜、庭に置いておいたタイヤが盗まれた。「庭の常夜灯はつけていましたが、かえって作業しやすくしていたのかと悔しく思いました。それでその後、つけないようにしておいたのですが、それがあだになったのかも‥‥」。昨年12月に、泥棒に入られた青木さん(仮名)は打ち明ける。
泥棒に入られた夜、常夜灯はつけていなかった
周囲は、農地を開発した住宅地。人の目は多くない。右隣には家が建っているが、左隣は空き地のまま。裏には、元農地が広がる。道路との境界にフェンスはなく、自由に人が出入りできる造りだ。夜、敷地内に入り込むのは、何の苦もなさそうに見える。
被害を受けたときの様子を、青木さんの話をもとに振り返ってみよう。昨年12月、週末の夜の出来事だ。
夜9時ごろ、青木さん一家が外出から帰ると、向かいのアパート前にパトカーがとまっていた。泥棒に入られたようだ。パトカーを横目に家に入りかけると、1階リビングのカーテンが少し開いているのが見えた。「出かけるときは閉めたはず――」。青木さんは不審を抱きながら、家の中に入る。
室内の様子は、ぱっと見ただけでは何も変わった風はなかった。しかし、1階リビングのドアをはじめ、閉めて出たはずのドアが所々開いている。貴重品をしまっておいた引き出しは、元通りに戻されてはいるものの、物色された跡がある。
「被害額は300万円を下らないでしょう。現金や金券から、バッグ、時計、パソコン、デジカメまで、根こそぎ取られました。盗品の数から複数犯ではないかと警察からは言われました」(青木さん)。
泥棒の侵入時刻は夜6時ごろ。「ちょうどそのころ、不在を確かめた跡があります。インターホンに残された記録を確かめると、だれも映っていない画像が見つかりました」。泥棒は身を隠しながらインターホンを押して、家人の不在を確かめたのだろう。
向かいのアパートに泥棒が入ったのも同じころ。アパート前のパトカーは、110番通報を受けて急行したものだった。もっとも警察では、「同一人物ではないかもしれない、とみているようです」(青木さん)。もしそうなら、相当な“泥棒多発地域”ということになる。







