宅配便にもおびえる家

編集協力/セコム IS研究所 甘利 康文氏

文/茂木 俊輔、写真/中野 和志
11月25日

 知らない男に脅かされる恐怖――。分譲マンション5階に住むYさんは10年ほど前の入居以来ずっと、怖い思いにさいなまれてきた。

 ある時は酔っ払い。夜中にしつこく玄関チャイムを鳴らす。またある時は出会い系の客を思わせる男。「さっきまで電話で話していたよね」。なれなれしく玄関ドアの向こうから話しかけるが、もちろんまったく心当たりはない。

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 訪問販売や勧誘の類は今でこそ少なくなったものの、入居当初は毎日だった。居留守を決め込んでいると、来訪者はいったん外に出るが、あきらめない。近くの歩道橋の上から室内の様子をうかがい、舞い戻る。そして「いるんだろ」とすごむのだ。女性の一人暮らしと勘違いされていた節もある。

 過去に数回、トラブルになって警官を呼んだ。ただ、「到着を待っている間に来訪者は逃げてしまいました。近くの交番に走ったこともありましたが、夜間はだれもいないことがあるので、そう頼れません」とYさん。マンションには住戸を貸し出しているオーナーもいるのだろう、居住者はよく入れ替わる。そのため、近所付き合いは深めにくいとも言う。

 Yさんのご家族は、夫とお子さん2人。夫の帰りは遅く、夜は子どもと3人なので、「わたしが家族を守らないと」と、責任を感じている。“迷惑訪問”の絶えない住まいだけに、もしものことを考えないでもないが、一方で、5階ということもあって外から侵入される危険はないのでは、と安心感を抱いてもいる。

 実際はどうか。防犯上、問題はないと言えるのか。盲点は本当にないのか。専門家であるセコムIS研究所の甘利康文氏とともに、Yさん一家の住むマンションを訪ねた。

 

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