次に2階に上がった。2階がキッチンとリビングになっており、広さも十分、窓が大きく、明るい。外を見ると、ベランダが部屋の周りをぐるりと取り囲むように設置されている。
家族で住むには理想的なスペースだ。しかし、防犯上はこのベランダがネックになる。
南に面した明るい2階リビング。外のベランダは南面だけでなく、東面と西面にもあり、ぐるりと歩いて回れる造りになっている。
「普通の住宅では当然ながら1階より2階の方がリスクが低くなります。泥棒も簡単に作業できませんからね。しかし、ここはベランダが格好の作業場になってしまう。かがみ込んで作業をすれば、下からは全く見えません。泥棒にとっては1階と同じ、場合によっては1階よりも安全かもしれません。したがって、できれば1階と同じ防犯対策を施した方がよろしいですね」
「そうなると、かなりのコストが‥‥」と、Pさんも落胆の表情を隠せない。
実はPさん宅は2階を1階と同じ環境にしてしまうような特殊な造りになっていた。どうも、後から追加で工事をしたようにも思われるが、それが何か、そしてPさんはどのように決断したかは次回、お伝えしよう。
「おカネのかかることですから、あまり言いたくはないのですが、リスクを正直にお伝えするのがわたしの役割。最近の泥棒は巧妙な手口から大胆な手口まで、さまざまな方法で侵入してきます。ですから、気をつけていただきたいのです」
Pさんも覚悟が出来たのか、にこやかに今日の診断結果を受け止めた。
「ある程度は覚悟していたのですが、ちょっと甘かったですね。わたしの考えとは違うレベルのご指摘でした。1階部分の窓は防犯フィルムを張ればいいかと考えていましたが、どうやら防犯ガラスにした方がいいようですね。リフォームの予算を考え直すか、家内に怒られるかもしれないけれど、キッチンのリフォーム代を削るか、ちょっと相談してみます」
さて、Pさんがいかなる決断をして、どこまでリフォームをするのか。次回、その結果をお知らせしよう。
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