防犯意識は、ここ数年、高まってきている。メディアでも、泥棒の侵入手口やそれを食い止める対策などが取り上げられ、これを受けて、家を買うときや家を建てるときに防犯対策に気遣う人も増えた。しかし、万全を期したつもりでも“穴”はある。そこでSAFETY JAPANでは、専門家とともに読者のお宅を訪問して、住まいに潜む防犯上の盲点がないか診断するシリーズ企画を始めた。今回はその第1回目である。

編集協力/セコム IS研究所 甘利 康文氏

文/茂木俊輔、写真/久保田史嗣
11月27日

 今回訪れたのは、東京下町の一角に建つ地上4階建ての都市型住宅。片側1車線ずつの比較的広い道路に直接面しているので、通りからの見通しはいい。

 インターホンで声を掛けると、住まいの主であるAさんが3階から降りてきて出迎えてくれた。Aさんご家族の住まいは3階と4階。1階と2階には親世帯が住まわれる予定で、完全分離の二世帯住宅としてつくられている。

 Aさんが専門家の診断を希望したのは、ちょっとした不安があったからだ。実は、実家が2度も空き巣に入られた。「だから、この家を建てるときには家づくりの本で防犯のことも学んで、それなりに気遣ったつもりです。でも、その効果のほどはどれほどなのか、不安でもあり、診てもらいたいと思ったのです」。

 早速、Aさんの案内で1階から順に見て回る。通りに面した玄関を入って廊下を抜けると、正面にリビングダイニングが、左手脇にキッチンがある。同行した専門家、セコムIS研究所の甘利康文氏がまず足を向けたのは、リビングダイニングの掃き出し窓だ。

1階リビングダイニングの掃き出し窓。外の緑道から一段下がっているので、建物との間には人ひとり身を潜めることもできる。

 「掃き出し窓からの侵入というのは、戸建て住宅では比率が高いんです」と甘利氏。窓の外に目を向けながら、「ここにしゃがむと、まわりからは死角になりますね」と指摘する。窓のすぐ外には、胸の高さほどのところを緑道が通っていて、建物との間にちょうど人ひとりが潜めるほどのすき間がある。

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