第27回
温暖化で米が生育不良、人気ブランド米もピンチ
~新品種への切り替え進む~
文/藤田 香(日経エコロジー)
2008年3月31日
写真/九州沖縄農業研究センター
九州の人気ブランド米といえば「ヒノヒカリ」。田植えシーズンを前に気になるのは、最近、白く濁る米(白未熟粒:しろみじゅくりゅう)が増え、収量と品質が落ちていることだ(写真)。2003~07年の米の作況指数は全国が約100だったのに対し九州は78~95と低迷し、一等米の比率も全国の75%に対し九州は約30%と低空飛行した。
九州沖縄農業研究センターの森田敏上席研究員が調べたところ、もみに入るでんぷんの量が減ったこと、つまり米の登熟(とうじゅく)不良が原因だとわかった。登熟の良否は、稲の穂が出てから20日間に当たる8月下旬~9月上旬の気象が決める。2003~07年は日照不足や台風に加え、高温が続いた。毎年の日平均気温が、白未熟粒が多発する26℃前後かそれ以上だった上、日最低気温も20年前より約3℃上昇したことが、米の成長を阻害したという。
温暖化対策として遅植えの対策が採られる一方、高温に強い品種への切り替えも始まった。長崎県は高温に強い「にこまる」を2005年に奨励品種にし、大分県も今年から認定品種として栽培する。
稲の高温障害は39府県に及び、農林水産省は新潟県で「こしいぶき」、千葉県で「ふさおとめ」など高温耐性品種への転換を進めている。人気ブランド米の名前も温暖化で様変わりするかもしれない。
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