第99回
福田首相は「大連立」へのサインを出した
政治アナリスト 花岡 信昭氏
2008年2月28日
首相は外遊すると、「内政懇談」というのをやる。国内の政治状況について、ざっくばらんに語る場だ。だから必ず政治部記者が同行する。外遊先に特派員がいれば、これに任せておけばいいではないかと思われるかもしれないが、この内政懇談には特派員は入れない。政権運営や政局の流れに通じた官邸担当記者でないと、何がニュースか、判断できないという側面もある。
国内政治についての懇談であるのなら、東京でやればいいともいえるのだが、そこが微妙なところだ。国外であれば、多少踏み込んだことを述べても許されるという慣習がある。日本のメディアが長い年月をかけて積み上げてきた政治取材の「知恵」の一つともいえる。
福田首相は韓国の李明博大統領の就任式(25日)出席のため訪韓し、24日夜、ソウルでこの内政懇談を行った。各紙は25日付朝刊でその内容を伝えている。以下、東京発行紙の見出しを挙げてみる。
朝日 暫定税率法案 首相、修正前向き
毎日 租特法改正案の修正に柔軟姿勢 福田首相
読売 暫定税率法案 首相、修正前向き
産経 暫定税率修正に意欲 首相「4月改造」にも含み
日経 暫定税率 首相、法案修正に柔軟 年度内の成立念頭「日銀人事 政府責任で」
東京 暫定税率 首相、修正前向き 年度内成立に向け表明
全紙ともほとんど同じ見出しである。ガソリン税の暫定税率維持を含む租税特別措置法改正案について、野党との修正に応じる意向を示した点を最大のニュースとして扱った。
ニュース判断としてはそれでいいのであろう。予算関連法案の参院審議での最大の焦点は、参院で多数を占める民主党など野党側が政府案を否決し、衆院に戻されて3分の2の賛成で成立するという再議決プロセスをたどるのか、それとも修正協議が成功し、その修正案が野党の賛成も得て年度内に成立するのか、ということになる。これが目下の最重要課題であることは確かだ。
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