第64回
ワシントン・ポスト紙に「慰安婦意見広告」― その経緯と波紋
政治アナリスト 花岡 信昭氏
2007年6月21日
米下院の慰安婦問題を巡る対日非難決議案に対し、日本側の意見広告がワシントン・ポスト(14日付)に掲載された。韓国メディアなどが激しく反発し、この意見広告が逆効果となって米下院の批判ムードを高め、決議案は26日にも下院外交委員会で採択される見込み、といった報道も出ている。
この意見広告にかかわってきた1人として、経緯と真意を説明しておきたい。日本側メディアの中にも意識的に(としか思えない)曲解している向きがあるためだ。
「THE FACTS(事実)」と題する全面広告は、政治評論家・屋山太郎氏、ジャーナリスト・櫻井よしこ氏、作曲家・すぎやまこういち氏、評論家・西村幸祐氏、それに筆者の5人による「歴史事実委員会」の名前で出された。
実はすぎやま氏を中心に、2年ほど前から「南京事件」を巡る意見広告を出そうとし、広告原案を作成して折衝したのだが、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなど主要米紙は拒否した。そこで、マイク・ホンダ議員の慰安婦非難決議案に対抗する意味合いもあって、慰安婦問題に切り替え、原案を作成した。
ニューヨーク・タイムズは今回も拒否したが、ワシントン・ポストはわずかな字句修正を求めた(「事実」の提示を主眼としたため、「これは意見広告ではありません」と冒頭に振ったところ、意見広告の扱いなのだからちょっと困るという回答があったものだ)だけで、掲載を応諾した。
ワシントン・ポストは韓国系団体の日本非難広告を掲載しており、それとのバランスを取ろうとしたのかどうか。ここで日本側の意見広告を受け入れた背景は分からない。だが、米国内に慰安婦問題を巡る変化がようやく生じてきたのではないかとも感じたのである。
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