第55回
国民投票法で見えた民主党の未成熟さ
政治アナリスト 花岡 信昭氏
2007年4月19日
憲法改正の手続きを定めた国民投票法の今国会成立が確定した。1947年の憲法施行から60年間放置されてきた「政治の怠慢」がようやく克服されることになる。懸念されるのは、国民投票法の必要性を認めながらも与党との修正協議を蹴った民主党の未成熟さである。
昨年12月の段階では、自公与党と民主党の実務者間で修正協議について大筋合意が成立していた。だが、小沢一郎代表の「民主党案丸呑みでなければ反対」という指示により、12-13日の衆院憲法調査特別委員会と本会議の採決では民主党は与党案に反対した。
7月参院選を前に野党共闘を最優先させ、「何でも反対」で与党との対決姿勢を維持するというのが小沢戦略だ。だが、統一地方選の13知事選では「相乗り禁止令」を出したにもかかわらず、2県で相乗り、6県で候補を擁立できなかった。仮に参院選で与党惨敗に持ち込めれば「小沢神話」の完全復活となるのだが、これまでのところ、小沢戦略のほころびばかりが目立つ。
与党案は民主党案の一部を取り入れ、投票権者の年齢を18歳以上(当面は20歳)とするなどとしている。民主党は国民投票の対象について、憲法改正だけでなく、統治機構や生命倫理に関する問題などにも広げるよう求めていたが、与党との修正協議が成立する場合は生命倫理などを降ろしてもいいという意向を示していた。それも小沢氏の最終的な指示ですべてがつぶれた。
もっとも国民投票の対象を憲法改正以外にまで広げるというのは、ポピュリズム(大衆迎合)の弊害を招くことになりかねない。消費税主体の税制改革や負担増を求める年金改革などがテーマとなったら、反対派が多いに決まっている。憲法改正に限定した与党案が衆院を通過したのは、そうした意味ではいいことであった。
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