第52回
日本のテレビは大丈夫なのか
政治アナリスト 花岡 信昭氏
2007年3月27日
このところ、周囲に「テレビをまったく見なくなった」と言う人が増えた。テレビを見ないことが「知性派の証明」であるかのように位置づけられている。テレビが政治動向を決するテレポリティクス時代の到来が言われて久しいのだが、実態はどうなのか。
筆者も地上波テレビはよほどの必要がない限りほとんど見ない。見なくても困らないようになった。
日常のニュースをキャッチするのはネット配信で間に合う。政治分野を仕事の対象にしているから、日曜のフジテレビ系「報道2001」、NHK「日曜討論」、テレビ朝日系「サンデープロジェクト」などは必見なのだが、もし見逃しても、特別なことがあると、このごろはネットで動画が見られるから、これを探せばたいていは用が足りる。
克明な背景解説などは、とてもではないがテレビは新聞にかなわない。テレビは、何が起きた、ということは伝えるのだが、こちらが必要とする深い情報は新聞でしか把握できない。だから東京で発行される一般紙は全部読んでいる。
地上波の場合、どの局にも同じようなお笑いタレントが出ずっぱりで、おかしくもなんともないバラエティーと称される番組ばかりだから、まともな大人なら見ようとはしないだろう。ドラマにしても、衛星放送のFOX、AXN、スーパードラマTVなどの質の高さにはかなわない。「24」「ナンバーズ」「CSIシリーズ」「ホワイトハウス」「ボーンズ」「プロファイラー」などなど、ハリウッド映画級のつくりである。展開も俳優もしっかりしていて、なによりも人間を描いている。
日本のサスペンスものは、どういうわけか最後になると、波が打ち寄せる崖の上で犯人が犯行を自供し、丁寧に経緯をしゃべってから連行されるというパターンばかりだ。なんともお手軽なシナリオに視聴者はいつまでつき合うか。
となると、あの視聴率というのはいったい何なのか。視聴率をカウントする機械がセットされているという人に会ったためしはないが、もし我が家にその機械が取り付けられたら、否応なくテレビを見る(つける)ことになるのではないか。そう考えると、視聴率なるものを改めて疑ってかかる必要がありそうだ。
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