新聞の世界にも不始末が相次ぐ
朝日新聞のカメラマンの記事盗用問題、産経新聞などの「裁判員制度フォーラムの参加者集め」問題など、新聞の世界の不始末も相次いだ。これはそれぞれ事情が異なる。
記事盗用は論外だ。朝日のカメラマンが書いた記事は写真につける「絵とき」である。通常、20行程度の短いものだが、ベテランの記者でも最も難しい原稿に属する。起きたことを伝えるニュース記事はデータを並べていけばいいのだが、「絵とき」は季節感を盛り込み、あるいは世相と絡めるなど、かなりの技量を必要とする。記事を書く訓練を受けていないカメラマンなら、なおのこと困難な作業であったろう。
このごろはネットで各紙の記事が入手できるから、いわゆる「コピペ」(切り取り、貼り付け)が容易にできる。スポーツカメラマンとしての腕は確かだったようだから、それだけに無理をしたに違いない。
一方、「裁判員制度フォーラムの参加者集め」問題である。裁判員制度のフォーラムに参加者が集まるわけがない。最高裁は全国の新聞社と連携して一大キャンペーンを展開してきたから、新聞社側は動員能力に差が出てはまずいと判断したのであろう。人材派遣会社にカネを払って人をかき集めてしまった。
政府主催タウンミーティングのやらせ問題を批判してきただけに、新聞社も同じようなことをやっていたのかと見られてしまっては、信頼度にキズがつく。人集めの担当者の苦衷も分かるが、全社的な問題にすればよかった。OBの大学教授にゼミ生の参加を依頼するなど、カネを使わない手はいくらもあったはずだ。
最高裁は税金を投じて、この大キャンペーンを全国展開しているわけだが、やはり「裁判員制度」が国民に受け入れられていないということだろう。司法改革の重要な柱として「国民参加」の形態を導入しようとしたのだが、そこにポピュリズムのニオイがちらつく。
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