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我々の国家はどこに向かっているのか

唯一、バランスの取れた日経の論議

 日経の社説はこう主張している。

  <PKO(国連平和維持活動)など国連ミッションに参加する自衛官は39人。世界で80位だ。「国際社会において、名誉ある地位を占めたい」とする憲法を持ち、安保理の常任理事国を目指す国とは思えぬ数字である。安倍政権が検討し、福田政権が無視した集団的自衛権をめぐる解釈見直しは当然だろう>

 これが常識的な線といっていいだろう。日経は3日付で見開き2ページの憲法特集を組んだ。あえて強調するが、全国紙の中で、最も手厚く憲法問題を扱ったのである。そこでは25条問題などまったく出てこない。

 日経の特集では、当然ながら海賊対策やミサイル防衛について紙面を割き、安保戦略と憲法の関係に言及している。その中で参院の問題を取り上げていることも重要な視点として興味深い。

「衆参ねじれ」による国会の混迷を取り上げ、参院のあり方に言及しているのである。GHQ(占領国軍総司令部)の憲法草案では「一院制」であった。これを日本側が押し戻して、選挙による第二院をつくることで合意にこぎつけた経緯がある。

 ねじれの弊害をどう打開すべきか。日経は上智大学の高見勝利教授の重要な指摘を紹介している。次期総選挙の結果、与党が3分の2を割り込むが過半数は確保するという状況になった場合、衆院再可決規定が使えないため、国会はさらに混迷の度を深めるという懸念がある。これについて、高見氏は実質的に両院協議会を機能させるべきで、第三院のようなかたちにすることもできると提言しているのである。

 参院は衆院のカーボンコピーといわれて久しいが、一院制とすべきか、あるいは道州制の導入と抱き合わせで地方代表院として残すか。ここも憲法改正の重要な柱だ。9条改正論議で行き詰まった場合、国会改革をまず憲法改正の入口にするといった流れも予想できないわけではない。


花岡 信昭氏のコラム「我々の国家はどこに向かっているのか」は、今回まで「SAFETY JAPAN」サイトにて公開して参りましたが、次回より、掲載媒体が「nikkeiBPnet」に変更になります。今後ともよろしくお願いいたします。また、花岡氏の過去の記事は、今後ともSAFETY JAPANにて購読できますので、よろしくご愛読ください。

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