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我々の国家はどこに向かっているのか

第158回
憲法論議に「25条」が出てきた不可解さ

政治アナリスト 花岡 信昭氏
2009年5月7日

すっかり下火になった憲法論議

 5月3日、62回目の憲法記念日を迎えたが、一時の憲法論議はなにやらすっかり下火になってしまい、メディアの扱いも例年に比べおとなしいものだった。

 安倍政権時代に成立した国民投票法によって憲法改正発議は3年間封印されているが、来年の5月にこれが解禁される。本来は衆参両院に憲法審査会が設置され、憲法論議が展開されているはずだったのだが、国会混迷によって審査会の運営ルール(規程)すらできていない。政治の怠慢と言う以外にない。

 ざっくりとした言い方を許していただければ、現在の政治状況下で、なにがなんでも現憲法を守れという旧来型護憲勢力は共産党と社民党だけである。この勢力は憲法改正ではなく「改悪」と呼称している。

 自民党にも民主党にも護憲派は存在するものの、自民党にとって自主憲法制定は保守合同以来の党是であるし、民主党も「論憲」を掲げ、憲法改正をタブー視する旧来型野党の体質から抜け出したはずだった。公明党は新たな権利などを付け加えるのは賛成という「加憲」の立場だ。

 つまり、現在の政治勢力の9割以上が憲法改正論議の土俵に乗れる態勢が整っているのである。にもかかわらず、憲法改正が政治の主要課題にならないのは、自民党側についていえば、政権の1年交代が続いて、「憲法どころではない」という事情があった。民主党側には「衆参ねじれ」を実現させたものの、参院ではほかの野党の助けを借りないと過半数に達しないため、憲法に触れることができない状況が続いている。

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