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我々の国家はどこに向かっているのか

くすぶる大連立構想

(5) 総選挙の予想は…大連立もありうる

 衆院の総定数は480だ。公明、共産、社民、国民新党そのほかで50-60。残り420-430を自民と民主で争う構図と見れば、分かりやすくなる。

 一時は「民主280」などという予想もでたが、いま、そうした見方はない。自民、民主いずれも210程度で拮抗する可能性が高いのではないか。

 自民としては210―220程度を獲得し、公明が25-30議席を得れば、過半数241に達することになる。その場合は自公連立政権が続く。

 だが、自公与党も民主党も、いずれも過半数に達しない場合、なにが起きるか。互いに相手に手を突っ込み、必要人数を引き出そうとする「政界再編」が起きるのではないか。これが「小連立」のケースといっていい。

 民主党が政権を獲得する場合、社民、国民新党との連立政権になり、共産党の影響力が強い政権になりかねない。社民党とは選挙協力を結ぶ。共産党は候補を絞り込む方針に転換したため、候補の出ない選挙区では共産支持票は民主候補に上乗せされるからだ。

 そうした状況を嫌い、自民、民主が拮抗した場合、一気に「大連立」、あるいは一部を残して中核部分だけの「中連立」が出来上がる可能性もある。

 小沢氏は一昨年、当時の福田首相との間で大連立に合意した経緯がある。代表辞任後も政治力を残していたら、自民、民主拮抗の局面では大連立に向けてもう一度走る可能性がある。

(6) 問題は総選挙後だ

 仮に自公政権継続となった場合、3分の2を獲得するのはどうやっても無理で、過半数確保がやっとだろう。そうなると、「衆参ねじれ」は依然として継続し、それも、衆院再可決が可能な3分の2ラインを割り込むという新たな政治状況が生まれる。

 そうした状況は、衆院再可決ができなくなるという点で、現在よりも政治の混迷が著しくなる。おそらく、国会は機能不全に陥る。

 したがって、来年の参院選(3年に1度)で、衆院選とのダブル選挙の可能性が出てくる。自民党としては、衆院での安定多数を狙い、参院での与野党逆転状況を少しでも改善させていこうとするだろう。すでに来年夏を見通した政局がスタートしていると見ていい。

 以上のような状況を回避するためにも、大連立ないし中連立が現実味を帯びることになる。「100年に1度」の経済危機に対応し、年金制度、消費税引き上げなどの国家的課題に取り組む体制をつくるというのが大義となる。

 …以上が政局解説の概要だ。実際には麻生首相の素顔や登場した議員の実像など、ややきわどいオフレコ話もしたのだが、そのあたりをここで書くのは控えたい。政治解説はどうしても目先の動きにとらわれてしまうのが常なのだが、外交官を相手にしたレクチャーの場合、日本政治の構造、特質、中長期の見方を踏まえないと、おそらくは理解を得るのは難しい。そうしたことも含めて得難い勉強の場となったのである。

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