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我々の国家はどこに向かっているのか

国民的課題解決のために有効な大連立

 

 一方で、自民党内にはこういう見方もある。仮に民主党政権誕生となった場合、社民党、共産党の影響力の濃い政権となる可能性がある。民主党は、社民党とは選挙協力を結んでいる。共産党は候補擁立を絞り込む作戦に転じたため、候補のいない選挙区では共産支持票のかなりの部分が民主党候補に上乗せされる可能性がある。このことは過去の選挙データとの比較やメディアの出口調査などによって、おのずと表面化していくだろう。

 

 自民党幹部の1人は「民主党が勝てば、社民党、国民新党などとの連立政権となるだろう。共産党は天皇を認めていないから、認証式が必要な閣僚を出すようなことにはならない。しかし、実態としては閣外協力に近くなる」と予測する。

 

 北朝鮮のテポドン発射に抗議する国会決議をめぐり、共産党は反対、社民党は棄権した。安保・外交政策の基本路線がまったく違う社民、共産両党に左右されるような政権ができるような事態を回避するには、両党を除外した大連立しかない、というのである。

 

 中曽根氏は前述の討論会で、大連立のねらいについて、「憲法改正の準備もしなくてはならない」と発言している。大連立の効用としては、年金、消費税、自衛隊の海外派遣などの厄介な懸案を決着させることができるといった点があげられる。消費税はいずれ大幅引き上げが必至という見方が大勢なのだが、民主党も基本的にはその立場に立っているとしても、野党として選挙に臨むうえでは増税は言い出せない。ドイツの大連立も消費税の引き上げを可能にした。憲法改正についても、社民、共産両党以外は、同じ土俵に乗ることが可能だ。

 

 そうした状況を踏まえると、今後の国家像をかたちづくっていくためにも、大連立は有効なシステムといえるのではないか。「100年に1度」の経済危機に対応するという国家的課題を最大の大義として、総選挙後、一気に大連立へ突っ走る可能性を予測しておく必要がある。

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