第133回
田母神・前空幕長の論文が最優秀賞になった経緯
政治アナリスト 花岡 信昭氏
2008年11月6日
田母神(たもがみ)俊雄・前空幕長が民間企業主催の論文募集に応じ、これが最優秀賞となったことから、一大政治問題に発展した。筆者はこの選考過程に加わった当事者の1人でもあり、あちこちでこの件を書いたり、取材するはずの側が取材される立場になったりと、なんともあわただしい。
重複を承知で、やはりこの「田母神論文」騒ぎに触れておかなくてはなるまい。田母神氏の論文は「日本は侵略国家であったのか」というものであった。このコラムのタイトル「我々の国家はどこに向かっているのか」を考えるためにも、今回の騒動は格好の示唆を与えてくれるように思われる。
そこで、まだこの論文をお読みでない方はぜひ一読されることをお勧めしたい。ここからPDFファイルで見ることができる(アパグループ第一回「真の近現代史観」懸賞論文募集)
これによって、田母神氏は空幕長を更迭され、空将の定年退職年齢に達していたため、これが適用されて民間人となった。田母神氏が辞表を提出せず、防衛省も懲戒免職を避けて早期決着をはかったというところがポイントである。懲戒の対象になるのかどうかがはっきりせず、田母神氏が聴取の場で反論したら収拾がつかなくなる。
とはいえ、現職の自衛隊トップがこれまでの政府見解に背反するような内容の論文を公表したのだから、麻生首相は「立場上、きわめて不適切」と批判し、浜田防衛相らは監督不十分で給与返上などの処分を受けることになった。
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