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我々の国家はどこに向かっているのか

竹下首相を驚かせた演説草稿の書き手

 もっとも官僚が作成した首相演説でも、出色の内容となった例がないわけではない。竹下登氏が首相時代、環境関係の国際会議に出て演説することになった。外務省と官邸の間で演説草稿がまとめられていった。

 何度目かの原稿で新たに加えられた部分があり、竹下氏を驚かせた。「ハス池のナゾ」というくだりである。こんな内容であった。

 「ある池がありました。そこのハスは1日で倍に増えるのです。ある日、池の全面がハスで覆われ、小魚などは死滅してしまいました。それでは、この池の半分がハスに覆われていたのはいつごろだったでしょうか」

 この答えは「前日」である。環境問題は放置しておくと取り返しのつかない事態になる、ということを象徴的に示したものだ。

 竹下氏はだれがこの部分を付け加えたのか、調べさせた。「小和田事務官でございます」という回答があった。いまの皇太子妃、雅子さまである。

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