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我々の国家はどこに向かっているのか

第124回
「福田退陣」を分析する

政治アナリスト 花岡 信昭氏
2008年9月3日

 福田首相の突然の退陣表明は確かに「ビッグ・サプライズ」ではあった。メディアの多くは安倍前首相に続いての「政権放り出し」と非難している。福田首相を批判するのはたやすいが、その決断の背後にある政治力学を見据えたい。

 当コラムでは、麻生太郎・自民党幹事長への事実上の「禅譲」シナリオが年内に展開されるのではないかと予測してきたが、これが、想定されていた時期よりも2カ月程度早まったということになる。

 それも政治的にみれば、自公与党にとってきわめて絶妙な時期での退陣表明である。政策的には総合経済対策をまとめ、一方で民主党代表選は小沢代表の無投票3選が確定した直後だ。福田首相は退陣表明の記者会見で「国民に迷惑のかからない時期を選んだ」と強調した。

 臨時国会は12日召集、その日に所信表明演説、16-18日に衆参両院での代表質問という日程が固まっていたが、民主党は21日の代表選挙を終えるまで国会審議には応じないという強硬な姿勢を示していた。

 これを福田首相は巧みに取り込んだ。「自民党の都合による政治空白」批判を回避できるのだ。自民党は総裁選の日程を10日告示、22日投開票と決めた。この日程なら、民主党も文句を言えなくなる。

 総裁選には、麻生氏のほか、小池百合子氏らの名前が浮上している。民主党代表選が無投票ならば、世間の関心は自民党総裁選に集中する。それも、そういってはなんだが、麻生氏や小池氏といった「テレビ受け」する顔ぶれがそろえば、ワイドショーは連日、これを追いかける。テレビが政治動向を決める「テレポリティクス時代」には格好の総裁選となる。

 とかくパフォーマンスが苦手な福田首相が退場し、政治の風景は一変することになる。この劇的な転換効果は見逃せない。

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