第116回
政略にまみれ始めた「たばこ1000円」構想
政治アナリスト 花岡 信昭氏
2008年7月3日
「たばこ1000円」構想が大きな話題を呼び、自民党税制調査会も論議していく方針を決めた。福田首相にとっては消費税引き上げ回避の格好の代替案となっている。政治的にはそこがポイントだ。
消費税を巡る本格論議が必要な段階にあるのは言うまでもない。だから、自民党税調は例年なら秋に始める税制改正論議を7月1日に開始した。
だが、「決断すべき時期」などとしていた福田首相も「2~3年内のこと」とトーンダウンし、党税調の雰囲気も「消費税引き上げでは総選挙は戦えない」といったところが大勢のようだ。
与謝野馨氏ら「財政再建派」は消費税10%程度を想定した論議の必要性を強調している。まさにその通りかとは思うが、いまの政治状況を考えれば自民党が躊躇(ちゅうちょ)するのも当然といえば当然だ。
消費税導入のときの税調会長、山中貞則氏は自身が選挙で落選する憂き目を見た。消費税に対する国民の理解はその当時に比べて相当に深まってきているようだが、選挙を戦う身としては「増税を掲げては選挙にならない」ということになる。
民主党は本来は消費税引き上げ論に立っていたはずなのだが、ここも政略優先で、断固反対の方針を打ち出した。福田政権には、消費税を真っ向から取り上げて、多角的に論議していくパワーはないと見ていい。衆参ねじれ構造による政治の停滞はここにも表れている。
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