子ども・家族にかけるお金を考える

第28回
エスカレートする塾費用のリスク

ファイナンシャルプランナー 坪川 仁保氏
2007年3月1日

 そろそろ中学、高校、大学と受験シーズンも終盤を迎える。4月からの進学先も決まり、ホッと胸をなでおろしている家庭もあれば、第一志望にかなわず、新たな気持ちで春を迎える家庭もあるのではないだろうか。今回は、中学受験までの塾費用について考えてみたい。

我が家の受験に至る背景

 中学受験者数がここ数年、増加の一途をたどっているらしい。大手進学塾四谷大塚によると、今年の受験生は約5万1000人と、過去最高に上るという予測だ。この背景には、ゆとり教育への危惧が根強いようである。

 我が家も実は、この潮流の中に去年から入っている。わたし自身は、ゆとり教育はよい面もあると思うし、特に危機感を感じているわけではなかった。我が子の通う小学校の授業参観(学校公開といっている)で、算数の時間にいろんな子の考え方を先生が板書し、いろいろな解き方ができることを説明しているのを見ると、「これがゆとり教育というものなのか」と感心したものだった。生活科や総合学習といった時間も、生活に密着した知識を得ることができて、まさに「生きる力」になるのではないかと期待させられるものがあった。

 受験戦争真っただ中で、子どもに考えさせて答えを導くという方式の授業を受けてこなかった(少なくとも記憶にはなかった)わたしにとっては、まさに新鮮な印象だった。

 では、なぜ我が子を受験させようと思ったかというと、人間関係の面で心配が大きかったからだ。特に1年生から3年生の時期は、「あーあ、明日から学校か‥‥」とため息混じりのつぶやきを毎週のように言っていたし、お風呂の中で泣くこともあり、なんとか励ましては、朝、祈るような気持ちで見送っていた。実際には、おなかが痛いなどの訴えもなかったので、心配しすぎなのだとも思うが、そうした経緯があったので受験という選択肢を入れることにしたのだ。

 我が子は現在4年生。もし、5~6年生になって学校が楽しくなれば、公立中学校に進んでもいい。ただ、受験の準備はとりあえずしておこうという、軽い気持ちで塾に通わせ始めた。

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