子ども・家族にかけるお金を考える

第26回
<熟年離婚を考える>
離婚男性との再婚には“要注意”

ファイナンシャルプランナー 畠中 雅子氏
2007年1月4日

 厚生年金部分の離婚分割がスタートするのに伴い、熟年離婚が増えるのではないか多くの人が予測している。離婚分割の制度については山崎俊輔氏が詳しく紹介しているので(熟年離婚の危機管理 第1回第2回第3回)、制度の内容についてはそちらを参照していただくとして、今回は離婚分割を利用して離婚した女性の「離婚後の生活」について、起こりうることを少し想像してみようと思う。

 夫婦生活に嫌気が差して離婚をした女性にとって、離婚直後は「清々した」とか「この先、男性の世話なんてコリゴリ」と感じる人も少なくないと思う。だが、しばらく時間が経つと、夫のいない生活に寂しさを感じる人も出てくる。今まで「夫は家のことを何もしてくれなかった」と思い込んでいても、妻自身の国民年金や健康保険などの手続きは、夫がいたからこそ、勤めていた会社がしてくれていたわけだし、社会保険の手続きなども自分でしなければならなくなると、夫という存在のありがたみと、自分がやらなければならない手間の多さを感じる人も出てくる。また、結婚前に一人暮らしの経験がない女性は、防犯面でも夫がいないことに不安を感じるかもしれない。

 「離婚後は、今よりも人生が充実するはず」と考えていた女性が、時間の経過と共に一人の生活に寂しさを感じるようになってくると、「元夫とは相性が悪かったけれど、他の人となら上手くいくかもしれない」と考え始める人も出てくるだろう。また現実問題として、離婚分割で夫の厚生年金の一部をもらえるのは自分が厚生年金をもらえる年齢になってから(山崎俊輔氏「離婚分割しても年金はすぐに受けられない!?」)。それまでは自分の収入や貯蓄でまかなわなければならない。思っていたよりも生活が苦しくて、新たなパートナーを見つけたいと考えるのは自然なことだろう。

 最近では、中高年の再婚を専門にするお見合い斡旋機関もニーズが高まっており、そのような仲介機関の手を借りて、新たな出会いを求める人もいるかもしれない。そのようなときに気を付けたいのが、再婚相手が見つかった場合に、相手にも離婚歴があると、相手の年金額が少ない可能性があることだ。

 離婚分割によって自分が元夫の厚生年金の一部を受け取る権利を持っているということは、同じ理屈で、離婚経験のある男性は、年金額が少なくなっている可能性があるということ。逆に、再婚する男性に結婚歴がない、あるいは前の妻は共働きだったという場合はその心配がない。自分が離婚分割でもらえる年金分だけ年金額が多くなり、生活設計が楽になることも考えられる。

 離婚分割がスタートすると、再婚する相手の年金額にも変化が生じる。そのため離婚分割を利用して離婚する人は、自分が再婚を考えるときには、相手の離婚歴と離婚した相手の職業、過去の婚姻期間などを確認しておいたほうが安全だろう。

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