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第17回
子どもに伝えたいお金回り教育
ファイナンシャル・プランナー 菅原 直子氏
2006年8月31日
なぜ金銭教育なのか
金銭教育、金融経済教育という言葉をずいぶん目にするようになった。
お金回りの知識については、大人でも自信が持てず、もっと早くに知っておけばよかったと後悔することもある。
最近の「金銭教育」ばやりには、そうした親が、「せめて我が子にはお金とうまくつきあえるようになってほしい」と願う気持ちがこもっているように思う。子どもが社会に出るころには、真面目に一生懸命働くだけでは望むだけのお金を手に入れることが今より難しくなりそう。だから、お金に働いてもらうための知識を持たせないと幸せになれないのではないか、という不安があるのかもしれない。
なぜ、お金回りの知識が必要なのか―――それは、必要なものを手に入れるだけのお金が欲しいからだ。生きていくために必要なモノは、たいていお金で手に入れることができる。お金は、欲しいモノと取り替えられる機能があり、また、使うときまで腐ったりせずに保存しておけるので、お金で蓄えておくことは利にかなった方法だ。
ただ、すっぽり抜け落ちているように思えるものがある。
預貯金や株式、年金や保険の知識は大切だ。親たちは、安全で有利な金融商品はどこの金融機関で扱っているのか、かかる税金はいくらなのか、将来年金を受け取りそびれないためにはどのような手続きが必要なのか、万一の際に家族を守ってくれる保険はどのような種類なのか‥‥ということを知りたがる。自分たちの大切なお金を少しでも有利に使うためには必要なことだ。
だが、その前提条件を忘れてはいないだろうか?自分たちが働いて収入を得ているということである。資産を運用したり取り崩したりして収入としている人もいるにはいるが、それはほんの一握りであり、たいていは労働の対価として収入を得ている。これは、とても大切なことだ。
「働かなくてはお金は手に入らない」――これが大前提なのだ。
それなのに、この大前提は、あまりにも当たり前のことになっていて、「教える」という行為に結びついていないように感じる。これが、危ない。
お金は天から降ってくるものではない。欲しいモノを欲しいといえば誰かが与えてくれるものと思ったまま、子どもが大きくなるとどういうことになるか想像して欲しい。与えてくれる誰か、は、親である。子ども自身が必要なモノ・欲しいモノを手に入れるために働くのではなく、いつまでも親に無心することが当たり前と思われては親も困るし、親亡き後は子ども自身も困ってしまう。働かずに経済的に親に依存する状態、いわゆるニートになってしまう要因の一つには、働くことの必要性を教えてこなかったことにもあると思う。
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