「どうしてくれる!?」クレーム担当者の奮闘日記

第41回
衣服汚損をネタに脅されたら?
店を守る危機管理の心得

このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。

文/水野 孝彦(日経レストラン)、イラスト/蛭子 能収
2009年3月4日

○月×日 午後 ヤクザ風の男に囲まれて……

 ある店舗で、ヤクザ風の若い男性客が「案内された席に座ったら、ソースが付いていてズボンやカバンが汚れた」というクレームを店長に伝えた。

 店長はズボンとカバンを預かり、クリーニングをしてお返ししたいと提案したが、このお客は「新品を購入したいので、汚れたズボンとカバンの代金を全額弁償してほしい」と言って聞かなかった。店長は1時間にわたり説得を試みたが、納得しない男性客は途中から大声で怒鳴り出した。やむを得ず店長は警察に通報し、駆けつけた警察官の説得で、男性客はその日は店から帰っていった。

 ところが翌日、この男性客は10人くらいの仲間と共に再来店。店長を席に呼びつけて、周囲を取り囲むように座り、食事をしながらズボンとカバンの代金、総額7万円の全額弁償を執拗に要求した。

 店長は衣服汚損が発生した場合、クリーニングで対応するのは社の方針で、自分の一存では対応を変えられないと何度も説明したが、相手は納得しない。

 強面の男たちに囲まれて、長時間にわたって「カネを払え」と怒鳴られ続けた店長は、最後まで相手の要求を拒否したが、執拗な脅しによる恐怖感で、体調を崩してしまった。

 後日、ヤクザ風の男性客は再度来店。新しいズボンとカバンの購入代金合計7万円の領収書を置いて帰っていった。「早くカネを支払え」という意味だ。そんなことをされても、支払いに応じられるはずもないのだが、以後、この男性客は毎日のように支払いを求めて店にやって来るようになった……。

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