「どうしてくれる!?」クレーム担当者の奮闘日記

第37回
クレーム電話がトラブルになる時

このコラムでは、架空の外食企業のクレーム対応担当者の日常を通して、最善のクレーム対応を考えていきます。

文/水野 孝彦(日経レストラン)、イラスト/蛭子 能収
2008年11月4日

○月×日 夕方
ちょっとした親切のつもりが

 「味がいつもと違ったから、教えてあげようと思って電話しただけなのに、いろんな部署に掛け直せ、と言われて……。ここで5カ所目だ!どうなっているんだ。アンタらの会社は!」――。

 先日、ある外食チェーンのお客様相談室の責任者Aさんのところに、怒りの電話を掛けてきたお客様がいた。

 このお客様は、そのチェーンの常連客。いつも食べている料理の味が薄かったので、そのことを教えてあげよう、という親切心から電話したのだが、いくつもの部署をたらい回しにされ、怒りが頂点に達していた。

 「ごもっともです」「おっしゃる通りです」――。Aさんはひたすら謝り、何とか許してもらったそうだ。

 調べてみると、確かにセントラルキッチンでの工程が原因で、味にバラつきが生じていたことが分かり、すぐに改善策を実施することになった。

 このお客様はミスを教えてくれた「大恩人」のはずだが、なぜ、たらい回しにしてしまったのか?それはこのお客様が、代表番号やお客様相談室ではなく、たまたまセントラルキッチンに直接電話をしたことだった。「味についてのクレームは、作っている人に直接言った方が親切だろう」と考えたそうだ。

 ところが最初に話をした従業員が電話応対に不慣れで、まったく見当違いの部署の電話番号を教え、その後の対応もチグハグになってしまったという。お客様が商品や原材料に非常に詳しいため、てっきり食品メーカーの営業担当者が、新製品を売り込もうとしているのだと勘違いしてしまったのだ。

 本社ならお客様相談室、現場なら店長や時間帯責任者以外の人間がクレームの電話を受けることで、トラブルが発生することは意外に多い。どうすれば、こうしたミスを減らせるのか、勉強会(外相研)の仲間と話し合ってみようと思う。

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