第77回
オバマ氏の下で再出発する米国
社会貢献支援財団会長 日下 公人氏
2009年1月16日
米国はもう終わりだと、わたしは8年前から言ってきた。ブッシュ大統領がイラク戦争を始めたときに、もうこれで米国はいったん終りになると思ってそう書いた。
ナポレオンと同じなのだが、武力に頼るようになると必ず「攻勢終末点」を突破してしまう。それは自信過剰に起因するのだが、そういうフェーズに米国は達してしまった。
さらに、米国は金融でも終わりを迎えた。2、3年前から、米国人の中にも「武力は行き詰まった状態のままだろうが、金融はそれより先に終わる」と言う人はたくさんいた。
イラクのフセイン元大統領が大量破壊兵器を保持していると米国は言っていたが、一方でニューヨークでは別の大量破壊兵器をつくっていた。それが「サブプライムローンの毒入り饅頭」である。米国人がそれを世界にばら撒いた。世界にとっては、そのほうが怖かった。
そして今では、誰もが「米国は大変だ」「もう終わりだ」と思うようになった。米国は今までのような「力の信奉者」では立ち行かない。今、「徳の実行者」へと変わらなければ、もう滅びてしまうだろう。その終わりかけのときに、なんとオバマ氏が当選した。
わたしはそのことに感心している。ブッシュの米国、共和党の米国、ワシントンの米国はもう終わった。ニューヨークの米国は、もっと悪い。そうすると、田舎の県会議員が大統領になるのである。
オバマ氏は実績なんか何もない。それなのに今、大統領選挙に勝った。そういうところは、米国はすごい国だと尊敬している。オバマ氏で、米国は再出発を始めるのだろう。
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