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現実主義に目覚めよ、日本!

第74回
ファンドという「福袋」にだまされる日本人

東京財団前会長 日下 公人氏
2008年6月12日

 昨年から、日本経済は米国のサブプライムローン問題の余波をモロに受けている。サブプライムローン問題を見ると、日本の米国経済に対する盲目的な信奉が分かる。

 ずっと以前からわたしは、米国は道義がないと言い続けてきた。道義がない国の経済が長く続くはずは絶対ない。すぐボロが出るから、絶対にドルなど持ってはいけないと言い続けてきた。

 だから、サブプライムローン問題が噴出したとき、「ついに来るべきものが来た」と思った。日本の銀行はバカだから、また引っかかっているだろうと思った。

 日本の金融庁は「銀行はバカで困ったものだ」などと言っているが、冗談じゃない。金融庁は銀行の監督官庁である。監督不行届きなのに、偉い人たちはみんな逃げてしまう。だからこそ、国民がしっかりしなければいけない。

 まず金融庁は、本質的に銀行をチェックしない。手続きに間違いはないか、法令違反はないか、ごまかしはないかといったことのチェックが手一杯で、それも銀行の偽装にごまかされる。取引の内容がおかしいというところまでは見ていない。本当に穴が開いていたら、金融庁側が困ってしまうからだ。そこで、本当に悪いことは見ないふりして、逃げてしまう。

 日本の銀行員はみんなサラリーマンだから、「これは米国の超一流ファンドで、金利が高いです」と言われれば、それだけで買ってしまう。「他の銀行も買っています」などと説明されて安心して手を出してしまう。早く言えば、資金運用はサラリーマンには無理な仕事で、そのチェックは官僚や学者にはできないものである。それは未来を予測する仕事だからである。

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