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現実主義に目覚めよ、日本!

第71回
外国と対等に渡り合える人材の育て方

東京財団前会長 日下 公人氏
2008年2月1日

 以前、ある成功したファンドマネジャーに話を聞いたら、その人は1年に2回くらい大勝負をするそうだ。そのための準備として、小さな売買をずっと続けている。短期の少量売買をずっとやってマーケットの空気を吸っていなければいけない。そうしないと「今が大勝負だ」という時に腰が引けると言っていた。

 ファンドや証券というものは、要するにそういう世界である。勝ったらいろいろ理屈は言うけれど、負けたときは何とも言いようがない。日本経済がそういう世界へ入っていって、英国と米国の喰いものにされている。

 関西では、成功した金持ちは、そんなことより子どもにピアノやバイオリンをやらせた方がよっぽどもうかるという。親の方も、カラオケの練習をした方がよっぽどもうかるという。

 例えば、外国へ買い付けに行ったときに、家族ぐるみでホームパーティーをする。特に資源を買い付けに行ったとき、資源を持っている人は、自分が働いてつくったものではないから、気前がいい。だから仲がいい人、仲良くしたい人、気持ちがいい人に売りたい。

 マーケットで売るときは厳しいのだけど、マーケット以外にそういう付き合いの売買がある。日本の商社はサラリーマンだからそこに入り込めない。たまたまそういうところへ入り込んだ人は、会社を辞めて独立する。

 家族全員が芸人のような家の人は、そういうところに入り込んで、安い値段でたくさん買い付けてくる。それは、かつて英国人やオランダ人、フランス人がアジアやインドでやっていたことである。

 日本人でも、そういうことができる人たちがいる。それは金持ちの二世、三世である。当然そういう人は勉強などあまりしなくてもいい。偏差値が低くても気にしない。

 いわゆる秀才はそういう商売に向いていない。ノイローゼになってしまう。だから、そういうことに対するワクチンを身に付けなければいけない。

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