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現実主義に目覚めよ、日本!

第67回
「お坊ちゃん政治家」の時代

東京財団前会長 日下 公人氏
2007年11月16日

 安倍前首相は自ら辞めてしまった。「その原因は何ですか」と新聞記者たちに聞かれると、わたしは「嫌気が差したのだろう」と答えていた。ところが新聞記者たちは「もっと裏があるはずだ」と、さらに聞いてくる。

 そこでわたしは、「安倍さんは成蹊大学出身で、麻生さんは学習院大学出身だ。あなたたちには彼らの物の考え方が分かるか」と聞き返した。新聞記者たちの出身大学を聞くと、東京大学や早稲田大学などが多い。成蹊や学習院のことは知らず、キャンパスに行ったこともない。そんなことで解説ができるだろうか。

 安倍さんや麻生さんは、父だけでなく祖父も有力者である。つまり、選挙に出馬すれば必ず当選する家に生まれている。そういう人の心持ちが分からないと、本来なら解説はできないはずだ。

 世の中の流れを見ると、東大法学部を出た首相は宮沢首相で終わって、あとは慶應大と早稲田大の出身者ばかりになった。その流れで、次は成蹊大や学習院大になっても不思議はない。要するに「お坊ちゃん」が総理大臣になる時代なのである。それが民意だと思うが、新聞記者たちはその民意が分かっていない。

 学歴差別だと言われるかもしれないが、わたしは分かりやすく解説しているだけだ。国民はそういう「お坊ちゃん」の方が、新鮮味があっていいと言っている。

 「お坊ちゃん」はうそをつかない。うそをつく必要がない。金をもらう必要がない。中国へ行って美人が出てきてもすぐに飛びつかない。そういうお坊ちゃんが増えて、日本の政治は人間の入れ替えがだいぶ進んできた。

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