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現実主義に目覚めよ、日本!

第66回
“弁慶のいない牛若丸”だった安倍前首相

東京財団前会長 日下 公人氏
2007年11月2日

 安倍前首相は、国家の根本を打ち立てることに取り組んだと思う。批判されることが多いようだが、よいことをたくさんした。しかし、それはマスコミや政治評論家には分からなかった。彼らはもっと目線の低いことばかりを言っていた。

 つまり、「富士山の頂上」で安倍前首相がやっていることは、国民に伝わらなかったのだろう。新聞をよく読めば書いてあるのだが、テレビだけを見て暮らしている人たちには、よく伝わらなかった。

 安倍前首相は、非常に親切で、丁寧で、真面目な人で、質問に真摯(しんし)に答えていた。ただ、質問がくだらないから、真面目に答えれば答えるほどくだらなくなった。

 安倍前首相には、もう少し悪賢い補佐官がいればよかったのだろう。安倍前首相と同じ成蹊高校の出身である佐々淳行さんは、安倍さんの首相就任直前に、親近感を込めて、こう指摘した。

「彼は牛若丸である。若くて賢くて一生懸命で純情。だけどそばに弁慶がついていない」

 牛若丸には、敵の矢を全部一身に引き受けるような大男の弁慶がついていないといけない。安倍前首相にはそんな存在がいなかった。牛若丸はやがて源義経になって、平家を倒す原動力となるが、安倍前首相はまさにそういう活動を孤軍奮闘でした。

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