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現実主義に目覚めよ、日本!

第65回
平和なときも「戦争」は続いている

東京財団前会長 日下 公人氏
2007年9月19日

 国家間における「戦争」は、武力戦だけではない。経済戦、情報戦、文明戦、思想戦と、どれも戦争である。それが世界の常識だ。

 日本人は、平和が永遠に続いていて、時々戦争があると思っているが、そんな考え方は世界では子どもにしか通用しない。国家間はまず戦争が基本で、時々「休憩」がある。ボクシングの試合みたいなものだ。

 休憩の間にも、やはり次のラウンドへの準備は続いている。汗をふいたり、水を飲んだり、相手をにらみつけたりする。国家間もそうで、平和なときでも戦争は続いている。それぞれ体力を回復している。それが経済戦である。

 そのほかにも、文化戦、文明戦、思想戦などがあって、どれも次の戦いのための準備だ。あわよくば相手がそのまま降伏してくれることを願っている。「とてもかなわない」と相手に思わせるためには、情報戦も必要だ。

 例えば、中国が日本に仕掛ける情報戦は「和平工作」と言っている。日本なら「平和工作」と言う。その言葉尻をとらえて、中国人は「日本人は侵略的である」と指摘する。「我々中国人は文化的だから、和平工作をする」というのだ。では「和平」と「平和」の違いは何なのか。

 中国は、和してしかるのちに平らげる。先に「和」がくる。仲良くして油断させる。そして、平らげる。征服してしまう。一方、日本人は「平和」、つまり平らげてから仲良くするのか。中国人はそうした言葉遣いを緊張して聞いている。それが情報戦である。

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