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現実主義に目覚めよ、日本!

第58回
日本は「許し」「世間様」「お上」で回っている

東京財団前会長 日下 公人氏
2007年5月25日

 前回に続き、外国と日本を対比して、日本にあるものとないものを挙げてみたい。日本には輪廻の思想がない。これはインドと対比した時の違いである。

 それから、最後の審判の思想がない。キリスト教、あるいはユダヤ教、あるいはイスラム教と対比した時の違いである。

 逆に日本にあるものを考えると、まず日本社会には「許し」がある。過去は水に流す。「みそぎ」というものがあって、いくら悪いことをしても、もう1回選挙をすると当選してくる。「みそぎは済みました」といって、また選挙に通るのだ。つまりまた生きていけるということ。日本には許しがある。

 それから「世間様」というものがある。「理屈はそうでも世間様が許さない」などと日本人は言う。そして「お上」というものがある。お上とは説明するのが難しい不思議な存在である。

 日本では世間様とお上が微妙なバランスのうえに存在している。その先に「許し」「理解」「相手を察する」というようなことがあるから、日本はうまく回っている。

 
 

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