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現実主義に目覚めよ、日本!

第38回
「心情」から語る靖国論(1)
~英霊の気持ち~

東京財団前会長 日下 公人氏
2006年8月24日

「表向きの議論」と「心情の議論」

 8月15日の終戦記念日に、小泉首相が靖国神社を参拝した。日本の首相の参拝については中国、韓国から非難され続けており、今までもたびたび外交上の問題となってきた。

 今回はちょうど次期総裁選を控えた時期であり、また民主党の新代表となった小沢氏が靖国問題を政争の種として持ち出したことで、日本国内でも分祀だ何だと政治家やマスコミが騒いだ。

 靖国問題の議論がなぜややこしいかというと、それは法解釈などの「表向きの議論」と、一般国民それぞれの「心情の議論」があるからだ。

 表向きの議論をしている人は、大概、法律に詳しい人ばかりだ。歴史学者でも官僚でも、そういう人たちは皆、理屈の世界で話をする。まずは「憲法にどう書いてあるか」というところから始まって、次に「靖国神社は宗教法人である」と展開していくのだ。

 確かにそれはそうなのだが、それなら靖国神社はどんな宗教なのだろうか。宗教法人法を読んでもよく分からない。とにかくその法律に基づいて、靖国神社自身が自らの「教義」や「寄附行為」などの規則を作っている。

 しかしこれも、いくら読んでも、何が書いてあるかよく分からない。少なくともわたしの日本語の力ではよく分からないことが書いてある。それなのに、表向きの議論をする人たちは、それらをもとにして議論をする。だから、さっぱりわけが分からない。

 
 

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