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現実主義に目覚めよ、日本!

第36回
景気回復にケチをつける人々

東京財団前会長 日下 公人氏
2006年7月27日

 日本人は何よりも経済が回復してくると安心する。2年ほど前から実際に経済は回復してきた。もちろん短期的に上下はあるのだが、数字的な指標にも経済回復が表れてきている。

 マクロ経済論議に使われるGNP(国民総生産)における国民総需要の項目を一つひとつ吟味していくと、ある程度の景気の予想ができる。

 まず、国民総需要で一番多いのは個人消費なのだが、これは反応が鈍くてなかなか数字が動かない。個人消費が動き出すのは経済がだいぶ回復した後であり、動き出すと景気の回復は本物といえる。もともと動きが鈍い指標なのだから下がることもなかろう、という項目である。

 景気予想の指標として最も注目されるのは民間設備投資だ。民間の企業はそれぞれ5~10年程度の見込みがないと機械設備を投資しないので、この数字が上がるということは、(見込みが失敗しているケースはありえるものの)とりあえずそれぞれの企業において受注は増加していて、経営者は強気になっているのだということが分かる。

 企業が設備投資をすると銀行から多少は借り入れをする。そうすると金が回り出すから景気も回復していく。そしてこの1年ほど、「設備投資」という言葉が新聞に登場するようになっている。

 
 

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