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現実主義に目覚めよ、日本!

第35回
日本は世界を変える「変数」だ

東京財団前会長 日下 公人氏
2006年7月13日

日本の主張は毒がないから外国も受け入れる

 日本の実力が上がってくるにつれて、外交の考え方も変えていかなければならなくなってきた。この日本の“新外交”の方法について考えてみたい。それにはいくつかのポイントが挙げられる。

 まず第1に、日本が変わることによって相手が変わるようになってきたこと。日本が変わるというのは対外的に変わるだけではなく、国内の日本人の考え方、見方が変わってきたということだ。

 第2に、日本はもっと主張をすべきである。日本の主張には毒がないと外国は賞賛するが、それは当然だ。日本に毒なんて考えられない。そんな人材は日本にいない。街の飲み屋にはいるけれど、職場で毒を吐く人はいない。公の場において、日本の主張に毒はほとんどない。逆にそれが強みなのだ。

 第3に、毒がないのだから日本の主張に世界は賛成し歓迎すると思われる。賛成しない国の大半は非紳士的な国だから、それを選別するテストにもなる。今の日本は世界最高の水準にまで達しており、他の国もそうなりたければ、日本の言うことを聞きなさいということ。「聞かないのは勝手だけど幸せになれませんよ」というくらい主張してもいいと思う。

 第4として、日本は自ら提案を作り上げて主張するべきだ。受け身ではなく、自分たちの方から発言する必要がある。外国に対して提案していこうという志がないのが問題だ。

 それでも最近では、少しだけ提案を作ろうという動きが出てきた。提案の内容には総論と各論があって、総論には「日本人の心」をそのまま書けばいい。外国に通じないかもしれないなどと心配せずに、我々の心をそのまま書く。日本ではもう既にやっていることを、外国に対して「皆さんもどうですか」と言えばいい。これは簡単なはずだ。

 そして各論として、具体案を示すことも必要だ。そこで専門家の出番となる。具体案を示したら、それが空振りとならないように、また相手側も受け入れやすいように、オブラートに包んだり、相手にとって最優先の項目から提案したりすればいい。伝えたいことに肉付けをしていく作業も、新外交では重要となるはずだ。

 
 

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