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現実主義に目覚めよ、日本!

第34回
ODAに日本人の心を映せ

東京財団前会長 日下 公人氏
2006年6月29日

日本のような国になるためのODAを

 ここ30年間、日本がかかわってきたODAを見ると、その金額は見事に相手国の人口による頭割りになっている。人口1000万人の国には人口1億人の国の10分の1の金額。これほど無色透明で公平な人道的な援助はない。

 「それでよい」という意見もあるかもしれないが、見ようによっては外務省の責任逃れともいえる。難しいことを考えたくないから、人口に応じて配っておけばいいというようにも見えるのだ。それがムダに消えようが、彼らの知ったことではない、というわけだ。

 しかし今、いよいよ議論すべきときがきたのだ。ではODAの原則はどのようにするべきなのか。基本的には国民の気持ち次第だと思う。例えば、国民は独裁政権の国にはODAをやりたくないだろう。民主主義と言論の自由のある国や、人権を尊重する国には援助をしてもいいと言うはずだ。

 それから、近隣諸国と紛争している国や領土問題を抱えている国などには、「やめましょう」となるだろう。さらに、今はそうした問題がなくても、軍事予算をどんどん増やしてるような物騒な国には、やはり援助したくないはずだ。

 このように、今の国民の気持ちを個条書きにしてみると、それはほとんどが“現在の日本の形”になっていると思う。つまり、「あなた方も日本みたいになりなさい、日本のようになるなら奨励金をあげますよ」ということをODAの原則にすればいいのだ。

 まずそういう原則を素直に掲げて、次はそれをちゃんと監視する必要がある。「この約束を守らないなら、来年はもうゼロにします」というようなコントロールをするべきであり、それができるなら、ODAを政府直属の機関でやるメリットがあると僕は思っている。

 
 

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