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現実主義に目覚めよ、日本!

第31回
小泉劇場の「軽さ」から小沢民主の「重さ」へ

東京財団前会長 日下 公人氏
2006年5月25日

軽々しい選挙手法は小泉チルドレンまで

 先日の千葉7区の衆議院補欠選挙で、自民党の斎藤健氏が負けて、元キャバクラ嬢という肩書きで話題になった民主党の太田和美氏が勝った。これをめぐって、政治評論家などが集まって議論をしていた。

 評論家の皆さんはまず、「ああ、エリートはダメだな。エリートはもう票にならないな」と言っていた。つまり、裏を返せば「エリートは嫌いだ、エリートでなければ元キャバクラ嬢でも何でもいい」ということなのだろう。もっとも「元キャバクラ嬢がいいんだ」というように「あの人がいいんだ」と積極的に肯定する意見は出てこない。

 それから「自民党の武部幹事長というのは、ほんとにアホだ」という意見があった。「あんな軽いことをしていて当選すると思っていたのか」というわけだ。「軽いこと」とは、小泉チルドレンをみんな並べて、じゃんけんのポーズでアピールしていたこと。

 「最初はグー、斎藤健」というのを武部さん自らやって踊っていた。「斎藤健」という名前を選挙民に覚えさせようと思ってやったんだろうけれど、そんなやり方が通用したのはもう去年のこと。小泉チルドレンが多数当選した昨年9月の衆議院総選挙で終わったのだ。同じことを二度やったらばかにされる。国民はもう二度と同じことをやる気はない。それが分からんのかね、と評論家たちは言っていた。

 国民はもう、そういう軽々しいことはすっかりばかにしているし、そんなことには飽きていて動かない。そうすると、民主党の代表になった小沢一郎の、あの重々しい暗い雰囲気がよくなってくるのだ。

 だから、千葉7区の補選で小沢一郎登場の晴舞台ができた。そして今、小沢一郎ブームが始まりかかっている。ここ1カ月ちょっとの間で、国民はそういうふうに思い始めている。

 
 

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