バックナンバー一覧▼

現実主義に目覚めよ、日本!

第29回
世界思想の最先端にある日本の慣習

東京財団前会長 日下 公人氏
2006年5月11日

ファストフード的合理化は限界にきた

 世界はどんどん変わっていく。21世紀は今までとは違う世界になっていく。その新しい世界で求められる新しい思想・哲学を考えてみると、そこには日本風の思想、日本風の哲学が大きな影響を与えることになる。

 例えばアメリカで学者や評論家と議論すると、確実にその兆候が現れている。ところが、日本の大学の教科書には、そんなことはほとんど書いていない。“変わり者”といわれる日本の大学教授の中にはそんな話をする人もいるが、大学の中で評価が高い教授たちほどその流れから遅れている。

 20世紀の思想哲学は、利益の極大化を目指した。利益の極大化をするうえでの合理とは何かというと、例えばハンバーガーチェーンのサービスなどに現れている。

 この産業は、「顧客に長く座ってもらいたくない」というところを出発点としている。顧客には、さっさと食べてさっさと出ていってもらいたいのだ。そのほうが回転率が上がって利益は極大化するのだから。

 こんなふうに、ファストフードの店舗を合理的・科学的だとする分析は、顧客満足など“人間の心”を考慮すると通用しなくなる。国や集団によって違う価値観にぶつかってしまうのだ。

 
 

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。