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現実主義に目覚めよ、日本!

第27回
今も日本に息づく「誠心誠意」と「親孝行」

東京財団前会長 日下 公人氏
2006年4月20日

外国流の結論の導き方と、日本流の結論の導き方

 「役所の権威を信用するような時代は終わった」とは言っても、まだ、役所を信用しているというのが日本の特徴だ。外国ではそうではなく、役所も対等だと思っている。役所と民間とが徹底的に議論して出した結論を真理とするのだ。「議論して結論を導く」という手続の上に真理があるとみなす、つまり手続主義なのだ。

 ところが、日本人はそうではない。真理は、お互いに話し合って、察し合って決まる。つまり談合で決まる。だから、談合がなくならない。むしろ「談合のどこが悪いんだ」と思っている。入札のよい点は、一番安い人が仕事をもらうことだ。判断基準は値段だけとなっていて、それ以外のことは考えなくてもいい。そんな程度の話なのだ。

 でも、世の中の経済活動は、当然値段だけで決まるようなことばかりではない。規格化された工業製品なら値段だけで決まるのかもしれないが、実際の買い物はなかなかそうはならないはずだ。

 例えば電話1本で配達してくれるとか、具合が悪いと言えば来てくれるとか、謝罪の仕方に誠意が見られるとか、そういう別の要素もかかわってくる。だから、日本では価格競争は徹底的にはやっていない。新聞記者のいないところで、こっそり談合をしているのだろう。

 
 

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