バックナンバー一覧▼

現実主義に目覚めよ、日本!

第26回
「コンプライアンス」をありがたがる風潮はもう終わり

東京財団前会長 日下 公人氏
2006年4月13日

世界の中で日本は「関数」から「変数」に変わった

 日本の景気がよくなってきたのは底力があるからなのだが、ではその底力とはどんなもので、底力を発揮するとどうなっていくのか。まず第1段階として、日本は自信を持つようになった。はじめは経済的自信からで、それがやがて他の分野に広がっていく。

 そして第2段階では、外交・防衛でも日本の国益を中心として底力が発揮されるようになった。そうすると意外なことに、アメリカが変わる。中国も変わる。つまり“日本には影響力がある”ということが分かって、第2の自信が付く。

 さらに第3段階として、今度は世界の方が日本の意見を求めるようになる。ただ意見を求めるだけではなくて、日本の決意を聞いて、その決意を行動にどう移すかということまで求められる。世界の方が対応するのだ。つまり日本は世界の中で「関数」でなくて「変数」になる。そうなるのはいつごろかというと、僕は意外に早いと思っている。

 それでも、国民の認識はいつも5年くらい遅れている。新聞やテレビや学者が遅れているからだ。それは彼らが臆病だからで、分かっていてもそこまで踏み込まないのだ。踏み込もうとしていても、記事や番組などは少し前の段階で制作されるから、国民はたとえ最新ニュースを見ていても遅れてしまうわけだ。

 日本の景気回復は、もう2年前から始まっている。実感しない人は、何もしないから感じないのだ。「いや、ここまではできません」と理屈を言っているからであって、どんどん実行している人は景気回復の手応えを感じているし、儲けている。

 ただし儲けていることは人には言わないだけ。それでも、見ていれば分かることで、設備投資は始まったし、雇用も正規雇用を増やしている。それらは今既に統計に出ている。そういう人も口では「まだ不景気です」と言っているけれど、設備投資という行動を起こすということは、彼らが「あと4~5年は大丈夫、この機械は元が取れる」と思っている証拠なのだ。

 
 

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。