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現実主義に目覚めよ、日本!

第25回
これから日本は世界の「リーダーの一員」になる

東京財団前会長 日下 公人氏
2006年4月6日

日本向け商品はやがて海外でも売れる

 日本型経営を見てみると、これは非常に優れた仕組みだ。でも、日本型経営はよすぎて、それに甘えてぶら下がる人が増えてしまった。こうした人たちは切り落とさなければいけない。

 日本の社長の多くは問題を解決するとき、力が弱い方へ、しわ寄せしようとする。力が強い方へ、しわ寄せしたらわが身が危ないからだ。弱い方へしわ寄せして会社を黒字にすれば、社長の手柄になる。だが、そんなことをやるのを人でなしというんだ。経団連で僕がそういうと、経団連に集う経営者たちは「いやいや、これがグローバル・スタンダード、これが合理的な経営である。アメリカの風を入れて日本は生まれ変わるのだ」といっているけれど。

 このように、弱い方へしわ寄せしてきた結果が、そろそろ出てきた。僕が昔からいっているのは、「アメリカ向けの輸出商品をつくる会社はアメリカ型でやりなさい。日本向けの商品をつくる会社は日本型経営でやりなさい。日本型のほうが断然クオリティが高いのだから。クオリティが高いものをつくるのは、クオリティの高い社員を並べて、みんなで心を合わせて思いを尽くして磨き上げていかなければ高いものはできないのだから」ということ。そのようにしてつくった製品は、まず日本国内で売れる。やがて外国でも売れる。

レクサスのハイブリッド車を発表
レクサス「GS」のハイブリッド車「GS450h」を発表するトヨタ自動車の渡辺捷昭社長(東京都江東区青海)
(写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています)

 そんなことをいったところで、誰も賛成者はいなかった。「それは限られたもので、美術工芸品か、マンガかアニメだろう」といわれたが、今やトヨタ自動車のレクサスで、その通りになった。あるいは液晶テレビとか、プラズマテレビとか。そうした工業製品でも、日本風、日本式、日本向け、純国産が外国に売れるようになった。こんな現象から、そろそろ僕の意見にも賛成者が増えてきた。

 
 

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