バックナンバー一覧▼

現実主義に目覚めよ、日本!

第24回
統計の景気指標は実態経済を示していない!

東京財団前会長 日下 公人氏
2006年3月30日

官庁エコノミストは1人もいらない

 経済が回復してきたという。設備投資が回復し、設備投資のための借入が増え、銀行も貸すようになった。なぜそうなかったというと、役人は今まで民間がむやみに臆病過ぎたからだという。

 しかし、なぜむやみに臆病になったかというと、政府がそうし向けたのだ。これは政府の罪が大きい。なにしろ役人が銀行に口出しして、「これは危険な融資だからやめろ」「引き揚げろ」と騒いだ。役人が融資を決めるというのはとんでもない話だ。

 役人が、民間の金を集めて民間に貸し出す民間の銀行に口を出す必要などまったくない。もし銀行が融資に失敗したら、倒産させればいいのだ。それなら国民の税金を使わないですむ。金融庁なんていう役所はまったく不要だ。

 役人や政治家が大騒ぎしていた不良債権などの滑稽な話もだいたい峠を越して、もうみんな忘れつつある。すると次は設備投資、貸し出しの話になって、それから個人消費が話題になる。この個人消費が一番大事で、それが活性化するからこそ、新しくテレビ工場を作ろうか、などとなるわけだ。

 この個人消費とはいったいどんな消費かという実体を知るために、日本ではいまだに統計を見ている。小売統計、流通統計、○○統計……や、在庫が少なくなったとか何とか。そんな数字を分析する人を、給料を払って官庁に置いておく必要などない。発表してくれれば誰でも見れるわけだから、誰でも何かいえるはずだ。

 そうなれば今は内閣府に300人くらいいる「エコノミスト」と称する人、いわゆるかつての経済企画庁の「官庁エコノミスト」などは1人もいらない。何かの研究をしているらしいが、ムダだとしか思えない。民間の証券会社にだって、彼らと同じくらい研究能力はあるのだから。

 
 

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。