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構造改革をどう生きるか

第98回
節約した人件費の向かった先

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2007年9月10日

 7月の参議院選挙で自民党が惨敗した大きな原因の一つに、格差問題があることは誰もが指摘しているところだ。安倍総理自身も、8月27日の改造内閣発足の記者会見で、参議院選挙の敗因に触れた。

 「中央と地方に存在する格差問題について、政治が配慮すべきだという教訓を得た」。

 このように述べて、格差是正に取り組む方針を示したのである。

 その意気込みはよしとしよう。だが本当に、政府は格差を是正できるのか。そこが大きな問題である。

 ここで頭に入れておいてほしいのは、構造改革路線の中で拡大した格差というのは、正社員同士の間に生じた格差ではない。確かに、若年層の一部を見ると、正社員間にも格差が生じているものの、全体的に見るとまだまだ大きいとはいえない。

 問題は、正社員と非正社員の間に存在する格差である。この格差はもともと存在していたのだが、昨今の非正社員の急増によって表面化したというのが正確なところだろう。

 では、非正社員がこれほどまでに増加したのはなぜか。不況の長期化が原因と考えている人も多いだろうが、そうではない。そこを誤解していると、この格差問題の根本を見誤ることになる。

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