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構造改革をどう生きるか

第91回
村上被告の背後にいる巨悪

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2007年7月23日

 7月19日、ニッポン放送株の取引を巡り、証券取引法違反の罪に問われていた村上ファンドの前代表、村上世彰被告に対して、東京地方裁判所の判決が言い渡された。判決は懲役2年、罰金300万円の実刑。追徴金は約11億4900万円。検察側の求刑に対して、懲役の期間こそ3年から2年に減ったものの、それ以外は求刑通りという結果になった。

 ご存じの通り、「やれいけ、それ行けニッポン放送」というライブドア元取締役の宮内亮治被告の発言について、記者会見で村上被告は「聞いちゃったんですよ」と弁明。たまたまニッポン放送買収という話題を耳にしただけであり、しかもそれはライブドア一流の大言壮語と思っていたとして無罪だと主張していたわけである。

 しかし、東京地裁の認定は、「聞いちゃった」のではなくて、むしろ仕掛けたのはお前だろうということである。村上被告がライブドアに言わせたのだというわけだ。そして、大言壮語だろうがなんだろうが、「情報の質は問題ではない。聞いちゃったという時点でインサイダー取引」という明快なものだった。裁判所は、海賊型資本主義によるマネーゲームを極めて厳しく断罪したのである。

 だが、それでもまだ、この事件について、わたしの腑に落ちないことが一つ残されているのだ。

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