第90回
公的年金が「ハゲタカ」に変身したら
経済アナリスト 森永 卓郎氏
2007年7月13日
安倍総理は、消費税を含む税制改革について「秋に抜本改革の論議をする」として参議院選挙の争点になることを避けているが、それでも消費税率の引き上げについては既定路線になっているようだ。
その判断材料といえるのが、6月19日に決定した「骨太の方針2007」の記述である。そこには次のように書かれていた。
「歳出改革によっても対応しきれない社会保障や少子化などに伴う負担増に対しては、安定財源を確保し、将来世代への負担の先送りを行わないようにする」。
ここで言う「安定財源」とは、明らかに消費税のことを指していることは容易に想像がつく。
また、「社会保障や少子化などに伴う負担増」として、当面大きな要因となるのは、2009年度から基礎年金の国庫負担の割合が3分の1から2分の1へと引き上げられることが挙げられる。基礎年金の拠出金算定対象額は約18兆円だから、この措置によって国庫負担の額は6兆円から9兆円へと3兆円増加することになるわけだ。
だから、さきほどの記述を分かりやすく言い換えると、次のようになる。
「2009年度から基礎年金の国庫負担の割合が引き上げられるのをにらんで、安定財源として消費税率の引き上げを行なう」。
3兆円の財源を確保するには、消費税率を1%強引き上げないといけない。参議院選挙が終わったら、政府はそう主張するに違いない。
あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください
この連載のバックナンバー
- 漢字は読めなくても政局が読める麻生総理のすごい能力 (2009/05/07)
- 似ているようで全く異なる与党と民主党の景気対策 (2009/04/28)
- 3月に景気が底入れしたと考えるいくつかの根拠 (2009/04/21)
- なぜ誰もデフレの危機を叫ばないのか (2009/04/14)
- 複雑怪奇な平日の高速道路料金に隠された陰謀 (2009/04/07)

