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構造改革をどう生きるか

「天下りがないと有能な若者が来ない」は本当か?

 わたしも役所にいたことがあるから分かるが、天下りに対するこだわりというのは大変なものである。天下りをして甘い汁を吸いながら、老後を楽に暮らしたいと考えているのだろう。財務省や国土交通省のように、強大な許認可権をもっている省庁では、特にその傾向が顕著である。

 もし天下りを本当になくそうと思ったら、バッサリと天下りをするルートを断ち、天下りをしたら厳罰に処すという法律をつくらない限り、絶対に天下りはなくならない。

 何度も言うように、リストラした官僚はハローワークに行ってもらうのが一番なのだが、それでは気の毒だというならば、こんな案はいかがだろうか。籍は役所に置いたままにして派遣に出すのである。能力が落ちるようだったらディスカウントしてでも働いてもらう。そのうえで、一切の兼業を禁止すれば、利権と癒着は防げるような気はする。コストもたいしてかからないし、どなたか検討していただけないだろうか。

 いずれにしても、天下りを根絶できないのは確かな理由がある。それは、天下りをなくしたら「有能な人材を集められない」と、官庁も政治家も深く信じているからなのだ。

 しかし、いまの若者は、金だけで動かなくなってきた。ホリエモンのような特殊な人間は別として、そこそこの生活ができれば、国のため社会のために働きたいと考えている若い人は結構多いものだ。官僚を採用するときも、まじめに日本のこと考えて、社会のために奉仕したいという人を選べばいい。むしろ、いま国家公務員に求められているのは、そういう人ではないか。

 「天下りも利権もなくなりました」と公言して、それでもやりたい人を採用する ―― そういう人を採用することこそ、この国の腐敗や利権をなくす最適の方法ではないだろうか。

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