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第83回
「弱い者は死ね」という社会に突き進む日本

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2007年5月28日

 5月14日の参議院本会議で国民投票法案が与党の賛成多数で可決、成立した。いよいよ、憲法改定への動きが始まった。

 この法案を単に憲法改定の手続きを定めたものだから、これで憲法を変えると決まったわけではないという人もいるし、法律の施行は3年後だからあわてることはないという声もあるが、そうではない。

 この法律に基づいて次期国会では衆参両院に憲法審査会が設置され、憲法改定のための議論が始まる。実際に国民投票が行われるのは早くて2011年になるが、改定に向けた動きは始まっているのだ。

 与党は国民投票法案が成立したといっても自動的に「憲法9条改正」の話になるわけではないと言っているが、そもそも9条を改定するために作られた法律なのだから、そのことが採り上げられることは間違いない。

 「戦後60年も経ったのだから、憲法を修正するのは戦後レジーム(体制)の転換だ」という意見は一見もっともらしいが、憲法はそもそも国家の理念を定めたものだ。理念は時間が経っても変わるものではない。

 会社でも長生きしている組織ほど理念を変えていない。もちろん経営戦略は変えるが、基本理念を変えると会社はバラバラになる。

 「米国軍が押しつけた憲法だから変えるべきだ」と言う人がいるが、それは理屈にも大義にもなっていない。問題は憲法が国民にとっていいか悪いかであって、誰が作ったものかは関係ない。

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