バックナンバー一覧▼

構造改革をどう生きるか

オリンピックの経済的なメリット、デメリット

 確かに1964年の東京オリンピックは日本国中を熱狂させた。なぜ、あれほど盛り上がったかといえば、オリンピックに合わせて東海道新幹線や東京モノレール、首都高速などの交通・社会インフラが整備され、その後の日本経済発展の起爆剤になったからだ。

 北京オリンピックが盛り上がっているのも同じ理屈である。新しい中国のための基盤整備がこれで進むのだ。

 しかし、東京にもはや社会資本の整備はいらない。そういう夢は東京にはない。それよりも、重要なことはオリンピック開催による経済的なメリットとデメリットをきちんと把握して、損得をはっきりさせることだ。

 都知事選でも当然、そこが問題となり、黒川氏は「オリンピックを中止すれば、それだけで都の負担が466億円減り、それを教育や福祉などに回すべきだ」と主張した。466億円の数字的根拠は分からないが、相当の費用がかかることは確かだ。

 一方、石原知事は3兆円の経済効果があると訴えていた。実は、昨年8月に東京オリンピック招致本部が経済効果(生産誘発額)の試算を発表しており、東京都内は1兆5676億円、東京以外の地域が1兆2666億円、計2兆8342億円という巨額になる。これが石原さんのいう3兆円の根拠だろう。

 この経済効果はオリンピック関係者や観客の移動、宿泊などに伴う支出や、一般家庭の電気機器、その他の物品の購入費などが含まれているが、生産誘発額というのは、すべての企業の売上増を合計したもので、売上増に伴って仕入も増えるため、本当に付加価値として増える分は1兆2677億円となっている。

 単純にいうと、付加価値増の1割が国や地方の税収として入ってくるので、オリンピックは約1268億円の税収増をもたらす計算になる。仮に黒川氏のいうように466億円かかったとしても、これならば十分にペイするように見える。

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。