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構造改革をどう生きるか

第75回
郵貯・年金積立金をライブドア株で運用する不見識

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2007年3月12日

 日本郵政公社、年金積立金管理運用独立行政法人(以下GPIF)といえば、郵便貯金、簡易保険の資金、あるいは年金積立金という形で、国民から金を預かっていることはどなたもご存じだろう。

 ところが、その大切な金を、わずかの間に何十億円という単位でドブに捨ててしまったと聞いたらどうだろう。まさに、そのような出来事が起きたのだ。

 2007年2月13日、日本郵政公社はライブドアに対して、総額10億4000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことを明らかにした。郵政公社が、かつて保有していたライブドア株は292万株。これが、株価下落によって9億4600万円の売却損が生じたというのである。これに訴訟費用をプラスしたのが請求額の10億4000万円だ。

 原告は郵政公社が運用を委託した信託銀行となっているが、実質的な原告は郵政公社であることは言うまでもない。

 GPIFもまた、2006年12月27日に同様の訴訟を起こしている。

 GPIFの損失額はさらに大きく、40億円あまりに上る。GPIFは、ライブドア株を最盛期にはなんと1427万株も保有。63億5582万円を投じて買った株式を、ライブドア強制捜査後に全株売却して、手元には19億8341万円しか残らなかったのだ。去年のあのライブドア騒ぎのどさくさにまぎれて、国民の大切な金が失われてしまったのである。

 通常ならば、株価が下落したからといって損害賠償などできない相談である。だが、両者は、ライブドアが有価証券報告書に虚偽の記載をしたことを問題にしている。相手がウソをついていたから自分たちは買ってしまったというわけで、言い分はもっともである。確かに、ライブドアのやったことは犯罪ではある。だが、はたして郵政公社、GPIFに落ち度はなかったのだろうか。

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