第58回
年収150万円と3000万円で“税率”が同じ国
経済アナリスト 森永 卓郎氏
2006年11月20日
日本の税制が低所得者を保護している例として、よく次のようなことがいわれる。
1.日本の課税最低限は諸外国に比べて高い
2.日本の税制は累進課税になっている
1は、分かりやすく言い換えると、「あなたは稼ぎが少ないから税金を払わなくてもいいですよ」という収入の水準(課税最低限)が、日本は諸外国よりも高く設定されている、という意味だ。
2は、簡単に言えば、「貧乏人はあまり税金を払わなくてもいいが、金持ちになればなるほど高い比率で税金を払っている」という意味である。
どちらも事実であれば、日本の税制は低所得者に優しい制度であるということになる。どうも、日本人の7割から8割が、こうした「神話」を信じているようだ。そのため、政治家からさえも、次のような議論が出てくる。
「日本は低所得者に甘い税制になっており、お金がない人が税金を支払っていない。だから給与所得控除、配偶者控除、特定扶養控除などを廃止し、より低い所得の人からも税負担をさせるべきだ」
だが、この二つとも、実は大きな誤りなのである。
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