第47回
靖国神社を政治カードとして利用する小泉総理
経済アナリスト 森永 卓郎氏
2006年9月4日
公人中の公人がいきなり“人間小泉”に
8月15日の終戦記念日に小泉純一郎総理は靖国神社参拝に踏み切った。現職の総理大臣による8月15日の参拝は1985年の中曽根康弘氏以来、21年ぶりの出来事だった。
これは非常に大きな問題と矛盾を残した暴挙だった。総理大臣としての靖国神社参拝が憲法の政教分離に抵触するおそれがあるという指摘があるにもかかわらず、小泉さんは「心の問題だ」と語り、内閣総理大臣小泉純一郎として記帳し、献花し、参拝した。
記者の質問に対しては、「総理大臣である人間小泉純一郎が参拝した。職務として参拝しているのではない」と述べたが、これはおかしな話だ。
総理大臣という職務は公人中の公人であり、1秒たりとも総理以外の時間をつくってはいけないほどの重責である。それが突然、“人間小泉”に変身してしまうのだから、あきれてものも言えない。
もう一つの問題はA級戦犯合祀である。安倍晋三官房長官とは違い、小泉総理はA級戦犯を戦争犯罪人と言っている。ところが、A級戦犯を参拝しているのかどうかという問題に対してはこう語っている。
「わたしは特定の人に対して参拝しているのではない。一部で許せない人がいるからといって、圧倒的多数の戦没者の方々に対して、哀悼の念を持って参拝するのがなぜ悪いのか。A級戦犯のために行っているのではない」
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