勝ち組を支援、負け組を痛めつける政策
この状況は企業にとっても同様だ。勝ち組大企業は無借金で預金を持っているので、さらに強くなる。仮に借金があっても大企業は資本市場で資金を調達できるから金利上昇は大した痛手ではない。
ところが、中小企業は運転資金を銀行や信用金庫から借りており、資金を資本市場から調達できないため、金利引き上げの波をもろにかぶる。
日銀は経済物価情勢が改善してきたためにゼロ金利解除に踏み切ったと説明しているが、6月の日銀短観で業況判断DIを見ると、大手製造業こそプラス21%と好調だが、中小非製造業はマイナス6%と、景気が悪いと考えている企業の方が多いのだ。
中小企業は原材料やガソリンの価格上昇を製品価格に転嫁できず、苦しんでいる。そこにゼロ金利解除による借入金の金利負担が加われば、経営は一層厳しくなる。
つまり、ゼロ金利解除とは、強い人をますます強くし、弱い人をさらに痛めつける政策であり、それはさらに格差社会を助長する。だから、OECDがこれ以上金利を引き上げるなというのは実に筋が通った話だ。
日銀は8月11日に開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を全員一致で決めた。取りあえず、追加利上げは避けられたかたちだ。だが、日銀は今後も追加利上げのタイミングを見つけようとするだろう。そのとき「格差社会へと突き進む日本」の現状がどうなるかについて、考えを至らせる必要があると思う。
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